データが活用される“前提”だから次の打ち手に取り組める。タイミーで挑戦する「攻め」と「守り」のデータエンジニアリング
「一人ひとりの時間を豊かに」をビジョンに掲げるタイミー。社会のニーズを汲み取りながら、大きく事業成長しています。
今回はデータの力で事業の推進に貢献する中村 優さんにインタビュー。データエンジニアとしてのミッションや仕事のやりがいについて話を聞きました。
※本記事の内容は2024年9月公開時点のものです。
プロフィール
入社に迷いはなかった。「こうだったらいいな」をすべて叶えたタイミー
ーー本日はよろしくお願いします。まずは、タイミーへ入社するまでのキャリアについて教えてください。
学生時代から長期インターンでお世話になっていたスタートアップスタジオ事業を展開する企業にエンジニアとして新卒入社しました。多種多様な事業部がある組織の中で、私が配属されたのはSNSコンサルティング事業部。SNS の API を参照するクローラの実装や運用に加えて、BigQuery を基軸にしたデータ基盤づくりといったデータエンジニア的な動きも経験しました。
とはいえ、当時はデータエンジニアという言葉自体があまりなく、あくまでもソフトウェアエンジニアとしてインフラからフロントまでフルスタックにコードを書くような仕事がメインでしたね。
その他にもセキュリティ委員会やエンジニアのコミュニケーション施策、テックブログ運用やイベント企画など、全社的な活動も任せていただき、かなり充実していました。しかし、個人的には今後のキャリアを考えると「もう少し技術にのめり込みたいな」という気持ちもあって……。
当時はどちらかというと採用や事業そのものの課題を考えることが多く、それはそれでやりがいがあるものの「20代半ばの今はより技術的な課題と向き合ってみたい」と環境を変える決断をしました。
そして、次のキャリアに選んだのはMaaS事業を行うスタートアップ。私自身、生まれてからずっと地方在住で地方の交通課題を解決し得る事業に共感したことと、それまでのスキルを活かしながら技術にのめり込む経験ができそうだと感じたことが入社の決め手でした。
入社後は自治体や交通事業者向けに提供する交通データの分析ツールの開発・運用を担当。私が住んでいる地域の交通政策課と一緒に仕事をする機会もあり、実際に地元に貢献できたのは嬉しい経験でした。
ーー次のキャリアにタイミーを選んだ理由を教えてください。
まず転職活動にあたっては、いくつかの軸がありました。データ基盤をつくる上で最重要視していたのは「プロダクトがマーケットにフィットしているか」どうか。これを軸にデータ基盤の現状のアーキテクチャと取り組む課題に共感できるか、データ基盤や信頼性への投資に注力している組織か否か、技術カンファレンスへの協賛・登壇の多さ、技術広報に対する会社の理解があるか、フルリモートで働けるかなどを絞り込んでいきました。
私が探した中では、これらすべての希望を叶える会社はほぼタイミー一択。カジュアル面談などでお話を聞いてみても「エンジニアサイドとビジネスサイドでの隔たりのなさ」が感じられて、事業を成長させることに集中できるイメージがきちんと湧いたんです。タイミーへの入社は最初からほとんど迷いなく決めましたね。
スケールさせることを考えて「汎用性」を意識する
ーー入社後はどのような活動をしているのでしょうか?
タイミーではDRE(Data Reliability Engineering)チームに所属し、データ基盤の構築・運用を行っています。さまざまなプロジェクトが走っていますが、直近フォーカスしているのは「リバースETL」の実装。データ基盤からデータを取り出し、適切な形に変換して社内で使用している営業支援システムやCRM、MAツールなどにデータを送り込めるようにしている最中です。
タイミーでは、すでに社内で利用している各SaaSから抽出したデータをデータアナリストが可視化して営業やマーケティングの業務に活かしてもらうというフローが構築・運用されています。
そこからもう一歩踏み込んで、たとえば「特定の条件に合う事業者の一覧をデータ抽出して、それをMAツールに流すことでプッシュ通知を送信できないか」「やるとしたらどういう形でデータを送ると効率的か」といった新しいデータ活用方法をマーケティング部門と連携して模索しています。
また、データコントラクトという新しい概念を取り入れられないかも検討中です。たとえば、APIを公開する際には「こういうエンドポイントに対して、◯◯というリクエストを送ると、こんなレスポンスが返ってくる」という仕様をしっかり決めているからAPIを使えるようになりますよね。データに対しても同様に、取り決めを厳格に行うことで「意図しない変更」を防ぐことができるのではないかと考えて、そういったコントラクトを定義する活動も徐々に始めています。
ーー「攻め」と「守り」の両面で活動を進めているんですね。中村さんが仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
最近は「作らずに解決する」「作りすぎない」ということを意識しています。エンジニアなので、作ることが仕事ではありつつ、作り込みすぎると運用負荷が上がってしまって大変になることも……。
なので、なるべく既存の仕組みにのせられないか検討したり、仮に新規開発する場合も「汎用性」を意識したり。極力、個別最適化を避けるようにしています。
DREはプロダクト、営業、マーケティングと社内の全方位と向き合うことが多いチームです。立場が違えば、当然見ているものも扱っているデータも課題も違う。チームのキャパシティを考えても、それらすべてに個別対応してしまうとスケールしづらくなってしまうので、そうならないように「汎用的に解決するためにはどうすればいいか」を意識的に自分にもチームにも問いかけるようにしています。
データ活用の文化が根付いている組織で、もう一歩先に取り組める魅力
ーー中村さんが感じているタイミーの魅力はどんなところでしょうか?
やはり一番はデータを活用する文化が本当に根付いているところです。データ基盤はつくって終わりではありません。個人的には、むしろつくってからが本番だと思っています。つくったのになかなか根付かない、活用されないという状況だと「まずは勉強会を開催しよう」というアプローチからスタートする必要がありますが、タイミーはすでにその土壌が出来上がっている。
データアナリストやデータサイエンティストといったデータ活用のプロフェッショナルたちによるチームも組成されており、データエンジニアとしては心強い限りです。「活用されている前提」で、さらに作り込むためにどうすべきかと向き合えている感覚がやりがいにつながっています。
また、事業会社でSRE(Site Reliability Engineering)をしていたり、SIer出身者だったりと、さまざまなバックグラウンドを持ったデータエンジニアたちと働ける魅力も大きいです。スキルや経験に多様性があり、かつ全員が「データ品質の課題と向き合う」という共通の目線を持っている。そんな仲間たちとさまざまな議論で盛り上がれる面白さも感じています。
ーー最後に、今後の目標を教えてください!
まずは、リバースETLの最適化などの現在進行形の取り組みをしっかり回していくことが直近の目標ですが、中長期的にはデータコントラクトを整備してデータ基盤の信頼性をさらに高めていきたいと考えています。
データコントラクトにはかなり期待していて、単にデータのスキーマをコントラクトという形式でまとめるのではなく、データの提供方法、データの更新頻度や可用性などの期待するサービスレベルや、データの所有者の連絡先、利用上の制約など、幅広い側面でデータの仕様を定義する想定です。
このようなデータコントラクトをYAMLで定義することでさまざまなCI/CDなどの自動化のソースとして使うことができます。たとえば、データ品質のモニタリング環境の整備や、社内向けドキュメントの自動生成などを行うことが可能になります。
今まさにチーム内で議論している最中なのですが、こういった仕組みを整備することで、限られたリソースの中でもデータ基盤の信頼性を向上させることができる感覚を持っているので、そこの実践はぜひやっていきたいですね。
お話しできることを楽しみにしています!
ご興味を持っていただけた方はぜひ面談にお申し込みください。いますぐの転職を考えていなくても大丈夫です!ぜひ、カジュアルにお話ししましょう。
(取材構成編集・文:Mamiko Kamiya)