
プロセスマネジメントを強みに組織を進化させる。チームで挑む本質的な課題解決
「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに掲げ、事業を拡大し続けているタイミー。開発組織もより磐石な体制を築いていくフェーズを迎えています。
今回は、エンジニアリングマネージャー(以下、EM)の横溝 崇さんにインタビュー。キャリアの変遷やタイミーでの活動について話を聞きました。
※本記事の内容は2025年1月公開時点のものです。
プロフィール

横溝 崇(Shu Yokomizo)
2013年、新卒でヤフー株式会社に入社。クレジットカードサービスの開発・運用を担当。入社4年目からは福岡にある子会社へ出向し、開発や運用、さらには課題解決や新卒教育に2年間取り組む。帰任後システム刷新プロジェクトに従事したのち、2019年8月にメルペイへ入社。バックエンドエンジニア、テックリードを経験後、EMを務める。2024年7月にタイミーへ入社し、EMとしてより良い組織体制の構築に奮闘中。
自身の力を還元できる環境を求めて、成長フェーズのタイミーへ入社
ーー本日はよろしくお願いします。まずは、横溝さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
ヤフー株式会社に新卒入社し、サーバーサイドエンジニアとしてキャリアをスタートしました。同社では、子会社と協働し、クレジットカードサービスの開発・運用を担当。その後、出向した福岡の子会社では、開発・運用をはじめ教育等の組織運営も経験しました。その後、再び本社へ。帰任後は、ヤフー側のシステムの大規模刷新プロジェクトに参画し、シニアエンジニアとしてメンバーの育成やプロジェクトリードをしていました。ジュニアからミドルへ、ミドルからシニアへといった具合に順調に成長させてもらった6年間だったと思います。
とはいえ、世の中にはもっと技術レベルの高い人はたくさんいるはず。そんな想いを抱き、せっかくならば一度外の世界を見てみようと転職を決意しました。当時の転職軸は成長環境、いわゆる「自分が一番下手になれる環境」を求めていました。そんなときにヤフー時代の同期からの紹介で出会ったのが、株式会社メルペイです。学びを得られる環境でありながら、決済・金融分野でのドメイン知識を活かせる点に惹かれて入社を決めました。
同社では、バックエンドエンジニアとして加盟店管理プロダクトを担当するところからスタート。その後はテックリード、EMとキャリアを発展させて複数チームのマネジメントを担ってきました。そして、2024年7月にタイミーへ入社し、現在に至ります。
ーー前職からの転職活動時には、どのような軸を持っていたのでしょうか?
主な軸は二つでしたね。一つめは、これまでの経験を活かし還元できる環境であること。二つめは、事業やサービスの成長が社会にポジティブな影響を与えられると実感できることでした。
前回の転職時には「自分の成長」を優先していたのですが、その気持ちは前提にありつつ、年齢を重ねたことで、どれほど自分の力で貢献できるかを重視するようになっていたんです。また、事業ドメインについては、10年以上携わってきた金融領域以外で、社会貢献性が高いサービスも経験してみたいという想いがありましたね。
ーーいくつかの選択肢がある中で、最終的にタイミーを選んだ決め手を教えてください。
まずは、組織フェーズと自分のスキルがマッチしていたことです。私自身はエンジニアとして手を動かす業務から離れて久しく、いわゆるプレイングマネージャー的な動きを求められる組織とはミスマッチを感じていました。一方、タイミーはこれから本格的な成長期を迎えて磐石な体制を築いていくフェーズです。自分のマネジメント経験を活かして、組織づくりに貢献できる環境だと感じました。VPoEの赤澤さんから聞く今後のビジョンなどに共感できる部分も多く、同じ価値観を持つ方が経営陣の中にいるというのも心強く感じたポイントです。
また、やはり代表の嶺さんの存在は大きかったですね。組織規模が大きくなっていく中でも、創業者としての熱意が衰えることなく、そのリーダーシップには大きく惹かれました。
エンジニアからEMへ。自分の適性に合わせたキャリア選択

ーーさまざまな経験を経て、タイミーへジョインしたんですね。キャリアのターニングポイントは、やはりEMの道に進んだことでしょうか?
そうですね。より周囲に対して価値を発揮できていると実感を得られるようになったのは、本格的にマネジメントをするようになってからです。EMへの挑戦は、大きな転機だったと思います。
ーー前職のときに、はじめてEMに挑戦したんですよね。きっかけはなんだったんですか?
前職でテックリードの役割を担う中で、技術面だけでなくチーム全体の成長について考えるようになったことがきっかけでした。プロダクトを良くするには、チームが進化しなくてはいけません。当時の上長とチーム全体の成長戦略について議論を重ねていくうちに「EMをやってみないか」と打診を受けたんです。実は数回は打診をお断りしていたんですが、何度かお声がけいただくうちに「せっかくなら挑戦してみよう」と決断をしました。
ーーご自身のキャリアに、EMが「はまった」のはなぜだと思いますか?
私自身が特定の分野に突出するよりも、全方位的に一定のスキルを持ち、苦手分野がとくにないタイプだったからでしょうか。EMにはプロダクトマネジメント、プロセス(プロジェクト*1)マネジメント、テクノロジーマネジメント、ピープルマネジメントの4領域があると言われており、どこに強みを持つかは人それぞれで正解はありません。
私の場合は、そのいずれもなんとなくできつつ、とくにプロセスマネジメントを得意としています。物事を俯瞰的に見て、改善点を見出し前に進めていく。そういった自身の特性が、役割とうまくマッチしたのだろうと考えています。
メンバーとの信頼関係を重視し、全社的な視点を共有する
ーータイミーでもEMとして活躍されていますが、入社以降、どのような活動をしていますか?
入社後は、EMとしてメンバーとの信頼関係構築に重点を置いて活動を行っています。とくに、最初の3〜4か月は、チームの一員としてすべてのスクラムイベントに参加していましたね。
開発業務自体は行わないものの、レトロスペクティブや振り返りにも積極的に参加し、自分の経験に基づく考えや価値観を共有しながら相互理解を深めてきました。その他にも、プロダクトと顧客の解像度を深めるために出張したり、目標設定を一緒に考えたり。私自身はタイミーでの開発経験がないので、テクノロジーの部分はメンバーの力を借りつつ、ピープルマネジメントを軸に、自分の得意としているプロセスマネジメントに注力してきました。
また、チームのマネージャーとしての活動以外にもエンジニアリング組織全体の課題やチーム横断型の有期プロジェクトなども進めています。
ーーさまざまな環境でマネジメントをされてきたと思いますが、タイミーならではの仕事の進め方を感じることはありますか?
タイミーで特徴的なのは、プロジェクトベースで物事を進めることがほとんどないところです。
イレギュラーな対応などでプロジェクトが立つことはありますが、基本的にはスクラムを重視した開発スタイルで進めています(*1)。
スプリント単位での小規模な範囲で物事を完了させていくため、あえて明確なリリース期限を設定せずに継続的な改善を繰り返していくのが基本です。そうすると、リリース予定日に向けて進行していくプロジェクトベースと比較して、最終的に「いつまでに」リリースするという概念が弱く、経営的には「先を見通しにくい」という課題もあります。
もちろん今の進め方には良い面が多くあり、既存の進め方を本質的に変える必要はありません。現在の開発スタイルの利点を維持しながら、より長期的な見通しが立てられる開発プロセスの提案と実践をチームメンバーとともに進めています。
*1)スクラムを重視した開発スタイルゆえに、一般的にプロジェクトマネジメントと表現されるEMの役割の一つを、タイミーでは「プロセスマネジメント」と表現している
ーーEMとして日頃から意識していることを教えてください。
本質的な課題に向き合い、行動していくことを意識しています。もちろん、目先のチームの課題解決も重要なのですが、より本質的に物事を見るためには「組織・事業全体の目線を持つ」ことが重要です。
しかし、日々の開発と向き合っていると、どうしても自分とその周囲までの範囲に視野が限定されてしまいがち。EMとして広い視野を持ち、メンバーに本質的な課題や改善点を効果的に伝えることが大切だと考えています。マネジメント側に立つことではじめて得られる視点もあるからこそ、その視点を共有して理解してもらうためのコミュニケーションを心がけているんです。
熱量の高い仲間たちと新しい領域を切り拓いていく

ーー横溝さんが「タイミーのここが良い」と感じている魅力はありますか?
タイミーは、ここ数年で急成長を遂げたということもあって、良い意味でスタートアップ感が残っている会社です。代表を筆頭に創業期のメンバーが今でも在籍しており、プロダクト開発組織にもタイミーの成長を支えてきた中核メンバーが多くいます。
その影響も大きいと思うのですが、メンバー一人ひとりがプロダクトに対して高い熱量を持っているところが魅力的です。「もっとこうしたほうが良いのではないか」「プロダクトとしてこちらの方向性が適しているのではないか」といった建設的な提案が、エンジニアに限らずさまざまな立場のメンバーから活発に出されています。「プロダクトが好きな人が多い」というのは、入社後に驚いたところでもありましたね。
ーー最後に、今後の目標を教えてください!
先ほどお話しした通り、タイミーはスタートアップ感を残している組織です。それは働く人々のマインド面だけではありません。プロダクトはもちろん、会社全体の制度や仕組みにもまだまだ改善の余地があります。
スポットワークという新しい領域においては、法律やルールが明確に定まっていないことも少なくありません。その中で自分たちが「どこまでやるのか」を慎重に見極めて、構築していくタイミングを迎えています。まずは、現状の不十分な部分を優先的に改善しつつ、今まで経験して良かったものをタイミーに合わせてチューニングしながら適用していくなどの活動を通じて、事業に貢献していきたいですね。
お話しできることを楽しみにしています!
ご興味を持っていただけた方はぜひ面談にお申し込みください。今すぐの転職を考えていなくても大丈夫です!ぜひ、カジュアルにお話ししましょう。
(取材構成編集・文:Mamiko Kamiya)