データサイエンスの力で世の中を変えたい。組織を越境するデータエンジニアリング部の活動とは?
「一人ひとりの時間を豊かに」をビジョンに掲げるタイミー。メンバー一人ひとりが「タイミー愛」に溢れており、事業も急成長しています。
今回は、データエンジニアリング部の木村 豊さんに、ご自身の仕事観やタイミーの強さの秘訣をお聞きしました。
※本記事の内容は2024年7月公開時点のものです。
プロフィール
データサイエンスとものづくりを楽しんできたキャリア
ーー本日はよろしくお願いします!木村さんはいつ頃からプログラミングやデータサイエンスに興味を持っていたのでしょうか?
プログラミングに関しては小学生の頃ですね。自宅にパソコンがあって、当時はパソコン雑誌に自作ゲームを投稿するくらいのめり込んでいました。割と幼少期からパソコンやプログラミングというものが身近にある環境だったように思います。
データサイエンスに触れたのは大学時代です。当時は「データサイエンス」という言葉はありませんでしたが、大学の研究で「統計学」を扱う中で、データにまつわる技術への興味が高まりました。
ーー大学卒業後はプログラマーとしてキャリアをスタートされていますよね。
そうですね。当時は「データサイエンス」や「データサイエンティスト」という言葉自体がまだ存在していませんでした。「やりたいこと」が言語化されていなかった一方で、Web自体が盛り上がってきていた時代。そんな世の中で、プログラミングのスキルを活かせればとソフトウェア開発の現場に身を置くことにしました。
Webアプリケーションやゲーム、業務システムといったさまざまなソフトウェアの開発を経て、ものづくりの手法をある程度身につけた段階でいよいよデータサイエンスという概念が世の中に登場。当時はもっともセクシーな職業などと言われたりしていましたが「あ、自分がやりたかったのはこれだな」と気づいて、そちらに転身しました。
ーーデータサイエンスの領域に移ってからタイミー入社まではどのようなキャリアだったのでしょうか?
大手メーカー企業にて、デジタル家電製品のログを集積するデータ基盤の開発や、スマホのchurn分析、サービスアクティベーションにつながる因果関係分析、データソリューションビジネスの立ち上げなど、さまざまなプロジェクトに関わらせてもらいました。
その後、大手インターネットサービス企業に移り、データ関連プロダクトのプロダクトマネージャーとして、顧客データの分析結果をレポートにして顧客に販売するビジネスの立ち上げに協力するなど、データを用いたビジネスの立ち上げを中心に楽しんできました。
前職ではAIコンサルティング事業を展開する企業のVPoE(Vice President of Engineer)として、人事評価制度の策定や採用活動、プロジェクトへのメンバーアサインを実施しながら、時には自ら手を動かして技術戦略の立案、上場準備などを経験してきました。
ーー上場企業でのVPoEという立場でご活躍の中、なぜタイミーに入社することになったのでしょうか?
上場して落ち着いたタイミングで徐々に新しい挑戦をしたいと感じるようになりました。出自がエンジニアなので「テクノロジーによって世の中に破壊的な変化を起こしたい」という欲望も根本にあって……。もっと世の中にインパクトを与えるサービスに携われないかと考えていたときに「タイミー」を知ったんです。
各所から「タイミーがすごいらしい」という声を耳にして、自分なりに調べてみると「本当に面白そうだな」と思ったので、応募することにしました。
その時点で私の中にあったのは「次のキャリアは独立するか、タイミーか」の二択。タイミーからオファーをもらったときにも「どっちにするか」で悩んだのですが、代表の嶺さんから「どっちもやればいいよ」と言われて……(笑)。私自身も「それもそうだ」と思い、タイミーへの入社を決めていました。
他組織を巻き込んだ「データ活用」を推進していく
ーー現在のお仕事内容を教えてください。
現在はデータエンジニアリング部の部長として、ピープルマネジメントや中長期のロードマップ策定、チームビジョンの提示などを行っています。
データエンジニアリング部の役割は大きく二つです。一つめは、社内のデータ基盤の開発と整備。タイミーで働くメンバーが日々の業務でデータ活用できるような基盤をつくっています。たとえば、社内で使っているBIツール「Looker」の利便性を高めるといった業務もその一部です。
二つめは、データ活用による課題解決。データサイエンスやデータ基盤を用いて、営業活動やCSの業務をより効率化していくような活動をしています。
ーータイミーの組織は日々進化していますが、入社後の1年間でデータエンジニアリング部にも変化はあったのでしょうか?
そうですね。データエンジニアリング部は、DRE(データ基盤開発チーム)とDS(データサイエンスチーム)の二つのグループで構成されています。
私が入社した時点ですでにそれぞれの役割を粛々と推進できていた一方で、他部門との連携という意味では一部課題もありました。もちろん、その時々で適切なコミュニケーションは取れていましたが「一緒に何かやろう」というアクティビティはできていない状態だったんです。
この1年をかけて、マーケティングや営業などの他部門と「データをどう活用するか」を密に連携していくためのアクティビティをいくつか生み出せたのは大きな変化だと思っています。
ーー1年間奔走されてきた成果ですね。木村さんが仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
一番大切にしているのは「なんでもできる人」でありたいということ。「なんでも」というと抽象的なのですが、データサイエンティストとして必要とされる三つのスキルを兼ね備えておきたいということです。
一般社団法人データサイエンティスト協会は、データサイエンティストがきちんとアウトカムを出していくためには「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」という三つのスキルが求められると提唱しています。ただし、その三つすべてを網羅できる超人はいないので、それぞれの専門家が協力をしようという発信なわけですが、個人的には「少なくとも組織を統率する人間はすべてができた方が良い」と思うんです。
もちろん、すべてのスキルに対して高い専門性を持っている必要はありませんが、少なくともそれぞれの領域で「何が起こっているのか」を把握し、越境するだけの力がなければ統率はできません。これまで長いキャリアで得てきた経験を活かして、やり遂げたいと思っています。
ビジネスとテクノロジーの橋渡し役を全うし、世の中にインパクトを与えていきたい
ーー木村さんから見て、タイミーの全社的な強みやデータエンジニアリング部の強みはどこにあると思いますか?
タイミー全体の話をすると、みんなタイミーが大好き。それが一番の強みではないかと思います。タイミーには毎月多くのメンバーが入社し、現状は約半分の人が「新入社員」という組織です。
普通であれば、ここまで急拡大すると組織に綻びが出る可能性も低くありませんが、タイミーはそこを持ち堪えている印象があります。なぜだろうと考えたときに思い浮かぶのが、やはり「タイミー愛」なんですよね。自分たちが提供しているプロダクトの価値に対する信頼がすごく強い。それがあるからこそバラバラにならないんだろうと思います。
また、データエンジニアリング部で言うと「オールラウンダー型」のメンバーの多さが強みです。データエンジニアリングには、当然データを扱うための技術スタックが複数あります。しかし、ただ技術に詳しければ良いというわけではなく、実際に扱うデータの意味やデータ活用の目的にも想いを馳せるようなビジネスセンスも必要です。
タイミーのデータエンジニアやデータサイエンティストたちは「このデータはなんのために使うのか」をしっかり考えていて、日に日にビジネスに対する嗅覚が上がっています。エンジニアリングにもビジネスにも強いメンバーが揃っているからこそ「ビジネスとテクノロジーの橋渡し」という立ち位置を担うことができているんだと感じています。
ーーデータエンジニアリング部の今後の目標を教えてください。
先ほどお話しした通り、この1年でビジネスやプロダクトの現場にデータエンジニアリング部が入り込んで「一緒に課題解決していきましょう」というモメンタム自体は高めることができたと感じています。短期的な目標だと、この活動をより目に見える成果として出していきたいというところですね。
また、中長期的な目標は大きく二つあります。一つは「基盤の品質向上」。タイミーでは、さまざまな部門のメンバーがデータを用いた業務を進めています。従来「分析のためのデータ基盤」としてつくってきたものを「社内情報基盤としてのデータ基盤」という一段上のステージに引き上げていくことが必要と考えています。そのために、データそのものやそれを操作するSQLの品質をどのように担保していくか、といったような課題に日々挑戦しています。
もう一つは「データサイエンスの業務適用」です。現状タイミーのさまざまな組織がBIツールに定義された多様なKPIをもとに業務遂行や意思決定を行っているのは前述のとおりですが、ここにさらに「予測値」を加えていきたいと考えています。たとえば、クライアントの離脱予測や復帰予測、さらにはワーカーの稼働数予測や、時給のダイナミックプライシングなどもあり得ると思っていて、それらをタイミーのみなさんが気軽に使っていけるような仕組みをつくっていこうとしています。
ーー最後に、木村さん個人の抱負をお願いします!
やはり世の中に対してインパクトを与えていきたいですし、そのためにできることはなんでもやりたいというスタンスを持っています。
これまでのキャリアでもその時々で仕事を楽しんできましたが、今後も「楽しい」と思えることをやりつつ、テクノロジーの力で世の中を変えていくところに携わっていければ幸せなんじゃないかなと思いますね。
お話しできることを楽しみにしています!
ご興味を持っていただけた方はぜひ面談にお申し込みください。いますぐの転職を考えていなくても大丈夫です!ぜひ、カジュアルにお話ししましょう。
(取材構成編集・文:Mamiko Kamiya)