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〜タイミー開発組織の取り組み2022〜未来と向き合える開発体制を目指して

2022年も残すところ数日ですね。タイミーでは、本年も「働く」にまつわる社会課題の解決に向けて、 さまざまな取り組みに挑戦してきました。

そんなタイミーを技術面から支え、会社が目指す方向性やビジョンを実現するミッションを担っているのがCTOの亀田 彗さんです。社内ではkameikeさんの愛称で親しまれています。

今回は、kameikeさんに「2022年、CTOとして取り組んだこと」「来年に向けた新たな目標」をお聞きしました。

※本記事の内容は公開時点のものです。


プロフィール

亀田 彗 (Kei Kameda)
大学在学中にスタートアップやメガベンチャー企業でインターンを経験後、2017年にピクシブ株式会社へ新卒入社。アプリエンジニアとしてiOSアプリ開発へ従事する傍ら、メンターとしてタイミーをサポート。2019年5月にはCPOとしてタイミーへジョインし、プロダクトマネジメントや開発ラインの整備を担う。2020年8月、本格的に組織開発や技術戦略をリードすべくCTOへ就任。
▷前回のインタビュー記事はこちら

拡大する組織で求められる長期的な技術戦略

ーー今回はkameikeさんの今年の取り組みを振り返っていただこうと思います。まずは、改めて現在のお仕事内容やミッションを教えてください。

CTOとして「タイミー」の技術面に関するさまざまな意思決定を担っています。タイミーが企業目標を達成するために「どのような技術や開発組織が必要か」を考え、技術戦略を立てる役割です。

具体的には、開発における技術推進や開発組織の構成など。たとえば「モジュラモノリス化を目指しましょう」といった判断をしたり、その実現に向けて計画を立てたりします。

ーーやるべきことはたくさんあったと思いますが、2022年はどこに注力してきたのでしょうか?

会社として目指す未来から逆算し、地に足のついたエンジニアリングやプロダクト戦略の土台を築いてきた1年だったと思います。

細々とした取り組みは数多くありましたが、とくに注力してきたのは3つ。開発領域の分割、組織スケールに向けた体制の整備、TECH ROADMAPの作成です。拡大し続ける組織の中で、長期的な目線を持った取り組みをしてきました。

今後の開発体制を支える「3つの取り組み」

ーー開発領域の分割でいうと、ビジネスドメインごとにチームを分ける取り組みがありましたよね。

開発においては、小規模なチームで素早くものづくりができる状況が良いと言われています。

これまでも働き手であるワーカーと事業者側といったステークホルダーごとに領域を区切っていましたが、開発スピードに遅れが生じてしまいがちという課題も感じていたんです。

たとえば、マッチングプラットフォームでワーカーと事業者双方が「また一緒に働きたい!」と思った際に相互がお気に入り登録できる機能は、その機能開発においてチームを跨ぐ必要がありました。

そこで、領域の切り方を試行錯誤し、言語化を重ねながら理想の形に近づけるための取り組みを進め、出会いを最適化しスケールさせる「マッチング領域」、マッチング後にスポットワークの体験を向上させる「スポットワークシステム領域」、プロダクト開発を技術で支援する「開発プラットフォーム」という領域で分けました。

この辺りの詳細はForkwell主催のイベントでもお話していますので、ぜひ観てほしいです!

ーー領域の切り方を変更したことで開発体制は改善されたのでしょうか?

そうですね。それぞれの領域が重要視すべき指標が明確になり、より戦略的に開発を進められるようになったと思います。

また、実はこの取り組みの裏テーマとしては「権限委譲」というものもありました。私がもともとCPOだったということもあり、今年の8月くらいまでは「プロダクトがどうあるべきか」というプロダクトの実行推進の役割もCTO業と同じくらいの比率で担当していたんです。

領域を切り直したことで、だいぶ委譲すべき業務の棚卸しができて、各領域のプロダクトマネージャー(以下、PdM)に引き継ぎすることができました。

新しいPdMの採用や、マーケティング部門でもプロダクトマーケティングマネージャーというポジションが立ち上がるなどの好条件も重なり、私がまとめて抱えていた時よりも精度が高い取り組みに移管できたのは間違いありません。

ーータイミーでは、それぞれの「役割分担」をきちんとしているように感じます。

そうですね。とくにエンジニアリングマネージャー(以下、EM)とPdMの役割分担については、今年以前の2021年後半から取り組んできました。

もともとタイミーではPdMがEMを兼任し、ピープルマネジメントまで担当していたんです。PdMを含めて15名規模の組織であれば、個々人の機微をうまくキャッチしながらものづくりができて効率が良いとも言えます。

とはいえ、それ以上に組織が拡大していく中では「人のキャリアをどう考えるか」と「プロダクトをどうしていくか」を一緒に考えるというのは大変な仕事です。

EMのレポートラインを分離したことで、エンジニアの成長支援や評価、最適な人員配置などの純粋なピープルマネジメントはEMが担う体制が整い、PdMはより顧客側に重心を移せるようになりました。

実際にこの体制に変更後は、プロダクトマネジメント側の顧客インタビューが増えるなど、PdMがプロダクトや顧客に向き合うことに集中できているようなので良かったと思っています。

また、役割をきちんと分けたことで、各分野の専門性の高い人材を採用しやすくなりました。どの領域でも100点満点の人は存在しません。これからのタイミーのフェーズでは、広くなんでもできる方よりは「この分野のプロフェッショナルになっていきたい」という志向の方がマッチすると思うんです。

そういう意味でも今後ますますの組織拡大に備えるための土台になった取り組みだったと思います。

ーーつい先日、TECH ROADMAPも社内に展開されていましたね。

そうなんです!ずっと取り組みたかったことだったので、念願のロードマップです(笑)。

お恥ずかしい話ですが、これまでのタイミーには明確なロードマップのようなものはありませんでした。組織が年間何倍という規模で成長していく中では、まずは目の前のプロダクト作りや組織の土台作りといった実運用面が優先されてきたんです。

しかし、やはり500名規模の組織になって「目指す未来から逆算したロードマップを作ろう」という方向で会社全体が取り組みを始めました。

そして、今年の10月にCOMPANY ROADMAPが完成。それにフォローする形でプロダクト本部でもTECH ROADMAPを作成しました。11月に新しい期を迎えてから、ロードマップのもとで運用が回せる状況になっているのはすごく嬉しいですね。

TECH ROADMAPはnotionとGitHubで管理。
「誰が・いつ」更新したのかといった変更差分が折り込まれて更新されていく。

ーーTECH ROADMAPを作る上で、大変だったことはありませんでしたか?

まずは、ロードマップという概念を社内に浸透させることが一番大変でしたね。かつロードマップは会社の決裁が結びついた状態で、経営レベルでの推進が必要になります。そのため、COMPANY ROADMAPとTECH ROADMAPの関連性を意識して作りました。

関連性をきちんと整理できて、そこから叩き台を作るまでは比較的スムーズに進んだと思います。叩き台を作ってからは各領域のエンジニアにも声をかけ、レビューしてもらいながらアップデートしていきました。

大変というか、まだ課題かなと思っているのは「やりたいことはたくさんあるけれど、取捨選択をどうするか」というところです。盛り込みすぎても実現可能性が薄くなるし、やることはやらないといけないのでバランスが難しいですね。

また、ロードマップは作っただけでは意味がなく、運用をすることが大事かつ大変だと考えています。来年は上手くエンジニアリング組織の意思を織り込めるもの + 体制を作っていければと思っています。

タイミーを知ってもらう場を作り、候補者との接点を増やしてきた

ーー今年の取り組みは組織の拡大に伴う体制強化がテーマにもなっていると思います。採用も大きな鍵になりますが、採用活動においてはどのようなアクションを取ってきたのでしょうか?

主に対外的なコミュニケーションの接点を増やす活動をしてきました。昨今、IT/Webエンジニア職の有効求人倍率は10とも20とも言われています。そんな中で、タイミーが今求めている人材に出会える機会は非常に少なかったんです。
まずは「タイミーはどんな価値を提供しているのか」「どのような技術を用いて開発をしているのか」といったコンセプトを開示して、そこに共感してもらえる人を増やす必要性を大いに感じていました。

そこで、2022年は技術広報や採用広報を強化して、技術ブログや採用広報ブログの更新、イベント協賛などさまざまな施策を行い、私自身も月に一度はイベント登壇やポッドキャストへの出演など情報発信の機会を増やしています。

ーーたしかに、さまざまなメディア露出やイベント登壇など「知ってもらう」活動には積極的な一年でしたね。成果につながっている実感はありますか?

おかげさまで、応募経由はさまざまながら「タイミーの情報発信を見て興味を持った」と言っていただける方の割合が大きくなってきたと感じています。

自分の行ってきた情報発信が少なからず、受け手側の共感を誘って「話を聞いてみよう」と思えるきっかけになっているのは純粋に嬉しいですね。

2022年の活動をバネに、2023年はさらなる飛躍を目指す

ーー多くの挑戦をしてきましたが、課題として残っているものもあるんでしょうか?

今年は経営体制にも変更が出て、会議体や業務分掌などの詳細は整備中の段階です。目指すべき方向性は見えているので、そこを実行に移せる状態を作っていくことが来年のテーマになると思っています。

そして、実行に移せる状態を作れるかどうかは「人」が起点になることは間違いありません。今の人数規模ではTECH ROADMAPの実現は不可能です。開発体制を強化するための採用活動は、引き続き重要な課題になると思います。

ーーどれだけ人とのご縁を結べるかも鍵になりそうですね。来年はどんなことに取り組んでいくんでしょうか?

タイミーの認知を広げていく活動は続けていきたいと思っています。今年、イベント登壇やポッドキャスト出演をしてきたことで、あらためてタイミーの魅力やポジショニングを整理できました。
今年の活動で得た知見をさらに来年の広報活動につなげていきたいですね。

また、一緒に働いているメンバーに「何が還元できるのか」を明確にし続ける活動はしていきたいです。「タイミーで働くとどんなキャリアが歩めるのか」「自分のキャリアにマッチしているのか」をしっかり伝え切ることは大切だと思っています。

ーー最後に、個人的な目標もあれば教えてください!

プロダクトマネジメント業務の権限委譲が進んだものの、まだまだ委譲関係が不明瞭な部分も残っています。「誰がどういう責任を持ち、どのように進行していくのか」を明確にしていきたいですね。

実は、来年は子どもが生まれる予定なので、しっかり権限委譲すべきところはして、プライベートと仕事の両立を目指しています。
タイミーのプロダクト本部には、子育て中の方も多くいらっしゃるので「子育て世代も働きやすい会社」を私自身も体現していきたいなと思っています。


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(取材構成編集・文:Mamiko Kamiya)

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