新PMM組織がめざす“顧客価値”と“事業価値”を高めるものづくり
「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに掲げるタイミー。さらなる事業成長と社会貢献に向けて、プロダクトづくりの中核を担うプロダクト開発組織も日々進化しています。
今回は、11月から新体制を築いたPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)組織の特徴と今後の展望を、グループマネージャー(以下、GM)を務める齊藤 健太郎さんに聞きました。
※本記事の内容は2024年11月公開時点のものです。
プロフィール
コンサルティング業界を経てPMMへ。タイミー入社の決め手は“人”と“事業”
ーー本日はよろしくお願いします。まずは、タイミーに入社するまでの齊藤さんのキャリアについて教えてください。
私のキャリアは、大学卒業後にコンサルティング業界へ飛び込んだところから始まりました。その後はコンサルタントとして、さまざまなプロジェクトに参画。システムのPMO支援や業務プロセス改善、事業再生、ビジネスDue Diligence、新規事業立案など多くの経験を積みました。
そして、約7年間のコンサルティング業界でのキャリアを経て、建設業向けSaaS企業のPMMにキャリアチェンジしたんです。同社には、PMMとして入社したものの役割が明確でなかったこともあり、プロダクトマネージャー(以下、PdM)と事業開発(以下、BizDev)の役割も兼務していました。
プロダクト戦略立案や新機能の企画・開発、プライシングを含むGo-to-Market(以下、GTM)計画の立案・推進といったPMM兼PdMの業務に加えて、新規事業の立ち上げやサービス拡張のためのアライアンス推進などのBizDev業務も担当していました。2024年3月からはタイミーに入社し、PMMとして活動しています。
ーー数多ある企業の中で、タイミーに入社を決めた理由を教えてください。
最終的な決め手は「人」でした。選考期間中、面接を含めて当時のPMMメンバーほぼ全員と対話の場を設けてもらったのですが、メンバー全員からポジティブでプロアクティブな姿勢を感じたんです。一人ひとりが熱量高く仕事に取り組み、しっかりバリューを体現している印象も受けました。
また、スキマバイトのパイオニア的存在としてルールメイキングまで含めたサービスをつくる難しさや、ツー・サイド・プラットフォームならではの複雑性を持っている事業自体の魅力も大きかったですね。難易度の高い課題と向き合いながら、社会貢献できるという点に惹かれたところはあります。
プロダクト・顧客・ビジネスサイドをつなぐ橋渡し役
ーーあらためてになりますが、PMMとはどのような役割を担うポジションなのでしょうか?
平たく言うと「何が売れるか?」と「それをどう売るか?」を考える部署であり、プロダクトと顧客およびビジネスサイドをつなぐ橋渡し役だと思います。主な役割は「プロダクト戦略におけるイシュー探索」と「GTMの推進」です。とくにGTMは、新たに追加されたプロダクトの機能が「どのターゲットのどのようなペインを解決するためのものか」を、リリース時に社内メンバーへきちんと周知するためにも重要になってきます。加えて、社外向けにも顧客へ価値を届けて事業成長につなげるハブの機能として欠かせません。これらの取り組みを確実に実行していくのが、PMMの大きな役割です。
ーー組織によってはPMMの役割をPdMが兼務することもありますよね。タイミーでPMMというポジションが必要とされている理由を教えてください。
大きく二点あると思っています。一点目は複雑な特性を持つサービスが成長するためには「顧客や市場のインサイト」をしっかり拾う専門部隊が必要であることです。
プロダクトマーケティングの教科書的な「LOVED(*1)」という書籍があるのですが、その中ではPMMの役割の一つとして「アンバサダー」が定義されています。タイミーは、ツー・サイド・プラットフォームかつスキマバイトのパイオニア的なサービスです。これまで世の中になかったものを生み出すために、タイミーにおいても市場や顧客のインサイトを正確にプロダクトに届ける役割は必要とされていると考えています。
二点目は、急成長するプロダクト・組織の中で「GTM推進を成功させる」存在が求められていることです。プロダクトの急成長に合わせてリリース機能とターゲット顧客の組み合わせが複雑化してきており、マーケティングとの連携などの顧客に届けるHowの部分も含めて、GTM計画を策定し推進する役割の必要性が増してきています。また、社内のステークホルダーに対しても、新機能の開発目的や機能概要を周知・浸透させるエバンジェリストとしての活動が重要です。
タイミーのサービスの複雑性や事業規模を考えると、なかなかこれらの取り組みをPdMだけで担うことはできません。PMMの存在によって、よりサービスの成長が促進されると考えています。
11月から新体制へ。ミッションは“イシュー探索”と“GTM推進”
ーー新しい事業年度の始まりに合わせて、PMM組織はマーケティング本部付からプロダクト本部付になりましたね。組織変更の背景を教えてください。
今回の体制変更は、組織全体の方針として「ものづくりの力を高めたい」という背景が強くなったことにあります。これまでは顧客価値に注力してプロダクト戦略を練ってきましたが、今後は顧客価値に加えて「事業価値」も高めていくべきフェーズです。プロダクト戦略をより正しいサイクルで回していくためにも、戦略マネジメント・プロダクトマネジメント・プロダクトマーケティングの三つの組織がプロダクト本部に集まることになりました。
私個人としても今回の組織変更はフェーズとマッチしていると思っています。仮に「あらかた機能開発が終わり、ひたすらに開発した機能を販売していく」という事業フェーズであれば、PMMはGTMの推進により注力してマーケティング部門との連携を強化するという選択をしたほうが良いかもしれません。しかし、現在のタイミーの場合はMoat(*2)構築や競争環境を強く考慮したプロダクト戦略を立てるためのイシュー探索にも力を入れなくてはいけないフェーズにいます。その観点からもプロダクト本部付になることに賛同していました。
ーーより現在のフェーズに適した組織体制になったんですね。新体制においても、先ほどお話しいただいた「イシュー探索」や「GTMの推進」がPMMのミッションになりそうでしょうか?
そうですね。おっしゃる通り、プロダクトイニシアチブを生み出すための「イシュー探索」と開発した機能の価値を顧客に届ける「GTMの推進」は、PMMの大きなミッションです。プロダクトチーム内でのイシュー探索やGTM推進を軸に、時にはマーケティングや営業とも連携して「コンビニ」や「大手流通グループ」といったインダストリーごとのプロジェクトを推進しています。そうすることで、特定のインダストリーを攻略するために必要な機能を洗い出す役割も担っているんです。
ーー齊藤さんから見て、タイミーのPMM組織にはどのような強みがあると思いますか?
入社後に驚いたのは、一人ひとりのPMMが各自でイシュー探索をしていることでした。個人単位でも「プロダクトの課題感」や「こうあるべき」というプロアクティブな姿勢を持って、イシュー探索をしているのは素晴らしいことだと思っています。
また、入社の決め手にもなったバリューの体現度ですが、とくにPMMのメンバーには「やっていき(*3)」と「オールスクラム(*4)」の精神がすごく浸透しているなと。「もしかして組織イチでは?」と思うほどです(笑)。
事業成長を左右する重要な戦略の立案・実行に携われる魅力がある
ーーGMとして、今後どのようにPMM組織を進化させていきたいと考えていますか?
まずは、戦略マネジメント部とプロダクトマネジメント部と連携し、イシュー探索の体系化を進めたいと考えています。現状のイシュー探索はPMM一人ひとりの力によるところが大きく、探索の粒度にばらつきがあることも否めません。今後、より顧客価値と事業価値の双方を向上させていくために、PMM全員がプロダクト全体や市場環境を考慮できるイシュー探索の仕組みをつくっていきたいです。
もちろん、すべてを厳密に仕組み化してしまうと、ボトムアップで戦略をブラッシュアップしていく力が弱まっていきます。経験の差によって多少のグラデーションはあると思いますが、8〜9割は戦略の中で決めたことをトップダウンで実行し、残りの1〜2割は各自の裁量に任せるなど、うまく「仕組み+適切な自由度」のあるイシュー探索を定着させていけたら良いですね。
また、これまではGTMの推進に注力しきれておらず、新機能の周知や価値訴求については社内外向けともに不十分だったと考えています。最近では「バッジ限定お仕事リクエスト」や「アルムナイ機能」なども実装され、今後も新機能を追加していく予定です。本格的なGTM推進が求められるフェーズになっているので、顧客への訴求メッセージの浸透率を上げていきたいと思っています。
そして、顧客への浸透率を上げるためにも重要になってくるのが社内への浸透です。たとえば、実装された機能の一覧表を作成して、機能ごとのターゲットや浸透率を可視化したり、営業メンバーの機能理解を促して「販売の手札」にしてもらったり。都度お知らせをSlackに流すだけでなく、ストック情報として「いつでも見に行ける」環境をつくっていきたいと考えています。
GTM推進に関してすべきことはたくさんありますが、もう少し俯瞰的にGTM計画をまとめることが目下の目標です。プロジェクト単位の取り組みだけでなく、より横断的に機能実装タイミングや事業インパクトといった「プロダクトの全容」が見えるように整備していきたいです。
ーー最後に、採用メッセージをお願いします!
私自身は「スキマバイト」という新しい領域を開拓できる点と、競争環境を意識したプロダクト戦略の実現に寄与できる点にタイミーのおもしろさを感じています。ツー・サイド・プラットフォームならではの難しさや事業の複雑性、新しい領域におけるルールメイキングなど、PMMには複眼的な思考が欠かせません。働き方改革や人手不足といった社会全体の課題に向き合いながら、自身のスキルを高められる環境です。
スキマバイトの競合環境も激しくなってきており、今後はよりいっそう、競争戦略・Moat構築を意識したプロダクト戦略が必要になってくるでしょう。PMMとして、事業成長を左右する重要なプロダクト戦略の立案と実行に携われるおもしろさを感じたい方には良い環境です。少しでもご興味いただけた方は、ぜひお気軽にカジュアル面談にお越しください!
タイミーのPMM組織では、新しい仲間を募集しています!
(取材構成編集・文:Mamiko Kamiya)