タイミーの“彩り”を伝えるデザインを。デザイナーに聞くブランドサイト制作の裏側とは?
2023年11月、タイミーは新たなタグライン「はたらくに“彩り”を。」を策定。その世界観を広く伝えるための特設サイトを2024年6月に公開しました。
今回は特設サイトのデザインを担当したコミュニケーションデザイングループの西道 昇世さんに「ビジュアルに込めた想い」や「プロジェクトで学んだこと」を聞きました。
▼特設サイトに関するプレスリリース
※本記事の内容は2024年7月公開時点のものです。
プロフィール
デザイナーとしてステップアップするためにタイミーへ
ーー本日はよろしくお願いします!西道さんは前職でもインハウスデザイナーとして活躍していたそうですが、どんなデザインを手がけてきたのでしょうか?
以前勤めていた会社は新入社員研修や管理職研修、内定者用の教育アプリなどの人材育成サービスを提供していました。インハウスデザイナーとして、LP(ランディングページ)や営業資料、広告デザインなどのマーケティングデザインからブランド認知度を高めるブランドデザインまで。事業を推進する上で必要なデザインを幅広く担当していきました。
ーーご活躍の中で転職を考えたきっかけはなんだったのでしょうか?
もともと「社会人3年目までは同じ会社でがんばろう」と決めていました。いよいよその3年目が巡ってくると、あらためて「これからのキャリア」について考えるようになったんです。当時働いていた会社は分業化が進んでおり、デザイナーはデザインに集中するという環境ができつつありました。
デザインに集中できるというのも魅力ではありましたが、まだまだデザイナーとしての視野を広げたい私としては「もっと上流から意図を汲み取ったデザインをしたい」「リリース後の改善や効果測定もしたい」という気持ちがあったんです。そこで、3年目の節目に一度、他の環境で挑戦してみようかと転職活動を開始しました。
ーー数ある企業の中でタイミーに入社を決めた理由を教えてください。
実は大学時代にタイミーのアプリを使おうと思ったことがあって、その頃から「すごく良いサービスだな」という印象を持っていました。
また、これは選考を受けてから分かったことなのですが、実は今の上長である太田さんのnoteを以前から読んでいて……。「タイミーの人だったんだ!」と気づいてからより志望度が高まり、入社を決意しました。
多彩な視点を持ったデザインで「タイミー」の魅力を伝える
ーータイミー入社後はどんな仕事をしているのでしょうか?
現在はコミュニケーションデザイングループに所属し、ブランディングに関わるデザイン制作を中心に担当しています。入社以降は、ブランドサイトのキービジュアルや新卒採用向けのビジュアル・ノベルティ制作、さらに既存クライアント向けの施策に用いるビジュアルの制作にも携わってきました。
企業ブランディング、採用、営業など、それぞれのテーマやターゲットに合わせたデザイン制作を経験させてもらっています。
ーー西道さんがデザイナーとして心がけていることを教えてください。
自分だけの視点に偏りすぎないということを心がけていますね。私はタイミーでの社歴が浅く、まだまだ見えていない側面も多くあります。営業担当の方やマーケティング担当の方、それぞれの立場の違いで見えているものも異なると思うので、自分の視点や価値観だけを信じすぎず「報連相」などの細かい部分までコミュニケーションに気を配るようにしているんです。
最終的に「目線」がきちんと合って、全員が納得できるクリエイティブをつくれるようにしたいと考えています。
また、私自身はマスコットキャラクターのいる企業でのデザイン経験がはじめて。デザインをする上で「タイミン」は強い魅力である一方で、その使いどころのバランスやキャラクターに対する共通認識を合わせる難しさも感じています。
キャラクターに対する共通認識を持った上で「タイミン」のビジュアルを全面に押し出したデザインをつくったり、あえてキャラクターは使わずに「伝えたいメッセージ」を強調したデザインにしたり。その使い分けの判断は大切にしていますね。
タイミーらしい“彩り”を表現したサイトを目指した
ーー西道さんは入社後すぐに「ブランドサイト」のデザインを担当することになったんですよね。アサイン後、どのようにプロジェクトに参加していったのでしょうか?
プロジェクト開始直後にデザイン制作が始まるわけではないので、プロジェクトにアサインされた1月はBX(Brand Experience)部やマーケティングチームが主体となって進めていた「ブランド戦略」の説明を受けるところから始めました。
やはりビジュアルを起こすには「どういう背景でタグラインが決まったのか」「誰の考えが反映されているのか」といったメッセージが出来上がるまでの経緯も含めて理解することが大切です。
とくに私の場合は、入社したばかりでタイミーのカルチャーも外部からの目線でしか知りませんでした。「これは進め方を間違えたら没になってしまうかもしれない」というプレッシャーもあり、だからこそ“彩り”サイトの全体設計やコンテンツ検討などの上流部分からミーティングに参加させてもらったんです。
その他にも「はたらくに“彩り”を。」というタグラインを決めたメンバーへのヒアリングの場も設けさせてもらった上で、2月から4月にかけてデザイン制作を進めていきました。
ーータグラインに込められた想いや背景を深堀りするところからスタートしたんですね。デザインをつくる上で大変だったこともあったのではないでしょうか?
プロジェクトに参加しているメンバーのそれぞれの想いを汲み取る活動には時間をかけました。やはりそれぞれの立場や想いによって要望はさまざま。「タイミーとしてのメッセージ」への思い入れが強い人、ユーザー視点の観点から「ファーストビュー」にこだわりたい人、それらすべての意見が正しいからこそ「どうデザインにまとめるか」には、すごく頭を悩ませました。
そのため、いきなり完成形を目指すのではなく、ラフ案をもとにプロジェクトメンバーと「これはどういう受け取り方をされそうか」などの細かいイメージのすり合わせをしながら進めていきました。
ーーすべての意見を取り入れるのは難しいですよね……。
そうですね。それでも「完全に意見を落とす」ことはせず、プロジェクトメンバーから出た意見は、最優先ではなくても「すべて盛り込む」ように心がけました。
ブランドサイトのファーストビューは「はたらくに“彩り”を。」という世界観を表現したビジュアルになったのですが、プロジェクト中には「ファーストビューに働いている人の写真を入れたい」という意見も出ました。
では、写真の意見を没にしたのかというとそうではなく、ファーストビューからスクロールしたすぐ下に「働く人々」の写真を入れることにしたんです。メンバーからの提案は基本的にはすべて拾いつつ、優先度についてはその都度メンバーに説明して理解を得ながらデザインに落とし込みました。大変でしたけど、すごく勉強になりましたね。
ーーブランドサイトで印象的なのはやはり「彩り」ですよね。西道さんのこだわりポイントを教えてください。
タイミーらしい「彩り感」をどう出すかはこだわりました。単にカラフルにするのではなく、タイミーカラーの黄色を軸にしつつ、優しさや温かみのある色味の全体のバランス感には気を配るようにしていたと思います。
グラデーションなども使うことで柔らかい雰囲気にしたり、色が強くなりすぎないように微調整をしたり。視認性や可読性を担保しながらも「優しい」「温かい」と感じてもらえるような色合いを模索していきました。
プロジェクトオーナーの室井さんやコーディングを担当してくれたメンバーと毎日のように話し合いを重ねて「一つひとつのコンテンツの動き」まで試行錯誤しながら決めていったのも思い出深いです。
ーー西道さんが本プロジェクトで得たものはありますか?
一番大きな収穫は「タイミーブランド」に対する理解が深まったことです。入社前と入社後を比較すると、やはりサービスに対するイメージにギャップがあったのが正直なところで……。一番最初にブランド理解を深めるプロジェクトに入れて良かったと思っています。
また、プロジェクトの特性上、デザイナーだけでなく他の部門の方々からフィードバックを受けることも多く、マーケットやブランディングの視点を得ることができました。それも今後のデザインに活かせる良い体験だったなと思いますね。
デザインの力で「タイミーって良いよね」を広めていきたい
ーータイミーで働いてみて感じている魅力を教えてください。
私が働いているコミュニケーションデザイングループは、良い意味で「上下関係」がないと感じています。社内からのデザイン依頼の担当割り振りも上長の判断が絶対ではなく、そのときの状況に応じて「一緒にやろう」という助け合いができますし、自ら進んでそういう動きをするメンバーが多いんです。すごく働きやすいなと思っています。
また、挑戦の機会を与えてくれるのも魅力です。私自身、企業の世界観を伝えるようなビジュアル制作を強みにしていきたいという想いがあり、ブランディングに関わる領域のデザインをやりたいとアピールしていました。それもあって、今回お話したブランドサイトのプロジェクトにも携わらせていただいたのかなと思うので、意欲を汲んでくれてチャンスをもらえる環境はすごくありがたいなと感じています。
ーー最後に、今後の目標を教えてください!
まずは、タイミーの魅力をもっと伝えていきたいですね。今回、ブランドサイトをつくったもののまだまだ「タイミーの世界観」は伝えきれていないと感じています。
私自身も入社する以前は「イケイケで急成長中のベンチャー」「便利なサービスを提供している」くらいのイメージしかありませんでしたが、入社後にサービスへの理解を深めれば深めるほど「優しくて温かいサービスだな」という印象が強くなりました。
タイミーは「はたらく」機会を提供し、本当に人生の可能性を広げてくれるサービスだと思っています。そんなサービスの社会的意義の高さや私たちの想いをデザインの力でもっと表現して「タイミーって良いよね」と思ってもらえるようにがんばりたいですね。
また、個人としてはもっとブランディングの領域に力を入れて、ゆくゆくは「ブランドエクスペリエンスデザイナー」として活動していきたいと思っています。これからもっと経験を積んで、社内でブランドデザインの話が出たときに「西道さんに任せよう」と言ってもらえるような存在を目指していきたいです。
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(取材構成編集・文:Mamiko Kamiya)