プロダクト開発を技術で支援する。タイミーのプラットフォームエンジニアとは?
ミッションに「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」を掲げるタイミー。プロダクト開発組織では、開発チームが顧客価値を届け続けるための技術的支援にも力を入れています。
今回はプラットフォームエンジニアの羽矢 純也さんにインタビュー。タイミーでの取り組みや仕事のやりがいについて話を聞きました。
※本記事の内容は2024年12月公開時点のものです。
プロフィール
さらなる研鑽が積める環境を求めてタイミーへ入社
ーープラットフォームエンジニアとして活躍中の羽矢さんですが、これまでどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか?
大学卒業後は、AIソリューション事業を展開する企業のコンサルタントとしてキャリアをスタートしました。当時は「何が自分に向いているのか」に自信が持てず、さまざまな挑戦がしやすい環境に身を置くことにしたんです。
入社後はクライアント企業から情報端末を預かって調査する業務を担当していましたが、次第に「コードを書く仕事のほうが楽しいだろうな」と思うようになっていきました。そこで、自ら開発部門の部長に異動を願い出て、エンジニアにキャリアチェンジしたんです。その後は、機械学習を用いたプロダクト開発や客先常駐でのPoC案件などを担当していました。
ーーその後は不動産テックの会社に転職されたんですよね。
そうですね。最初の会社では一人で開発と向き合うことが多く、チームで開発する経験を得たいと感じていました。そんなときに友人の紹介で出会ったのが不動産テック事業を展開する前職です。
同社では、組織内で持ち上がっていた「既存プロダクトのクラウド移行」の対応や不動産会社向けプロダクトのバックエンド開発をはじめ、スクラムマスターやSREとしての役割を広く担当していました。社内の「なんでも屋」的な役割を通じて、自分のキャリアの基盤をつくった転機でもあったと思います。
ーー羽矢さんは頼りになる存在だったと思います。ご活躍の中で転職を決意したのはなぜですか?
一つは、プロダクト開発チームの改善が“ひと段落”したという感覚が得られたからです。チームが自走してきて私がいなくても良い感じに回っているなと。また、自分自身のキャリア的にも「別の環境でイチからチームで仕事をしてみたい」という想いもありました。
というのも、前職では良くも悪くもポジションが確立されており、自分の発言力が強くなっていたからです。どちらかというと、社内で相談をしながら進めるというよりも自ら先導していく立場になっていました。それはそれでやりがいはありつつ、自分がガラパゴス化(*1)していく不安もあって……。エンジニア同士でフラットなディスカッションができ、より研鑽を積める環境を求めて転職を決意したんです。
ーー多くの選択肢がある中で、タイミーに入社を決めた理由を教えてください。
カジュアル面談の際に、タイミーが「現在フォーカスしている業界」や「事業の可能性」といった密度の濃いディスカッションができた感覚があり、いくつか選考を受けた企業の中でも圧倒的に強い印象がありました。会話の中からプロダクトの解像度の高さを感じて、それがすごく好印象だったのを覚えています。まさに「こういうディスカッションがしたかった」という想いもありましたし、良い仲間たちと伸びているプロダクトをさらなる成長に導いていくことに魅力を感じました。
あとは、単純に選考後のフォローも丁寧で「良い会社だな」と思ったというのも決め手の一つになりましたね。
*1)外界から隔絶された環境下で独自の発展を遂げ、その結果として世界標準の流れからかけ離れていく状態
プロダクト開発の環境改善を通じて、タイミーの信頼性を上げていく
ーータイミー入社後はどのような活動をしているのでしょうか?
タイミーではプロダクト開発組織の各チームが独立して、顧客価値を高速に届ける体制を大切にしています。私が所属する「開発プラットフォームTribe」は、まさにその体制を実現するためのCI/CDや監視の仕組み化を通じて、プロダクト開発の環境を良くしていく組織です。単に仕組みをつくるだけでなく、SRE(サイト信頼性エンジニアリング)の考え方を組織に根ざすための取り組みも行っています。
開発者およびユーザーのためのセキュリティ対策やガバナンスの強化、サービスの信頼性とパフォーマンスを向上させることが、プラットフォームエンジニアである私の仕事です。
ーー開発体験の向上やシステムの安全性の担保はもちろん、その文化もつくっていく組織なんですね。実際の取り組みはどのように始まるのでしょうか?
大きく分けると三つの流れがありますね。一つめは依頼ベース。たとえば、プロダクト開発チームから「開発のリリースまでに時間がかかるので、CI/CDを改善してほしい」などの依頼からイシュー化していくケースです。
二つめは開発チームへ直接参加し、プロジェクトに応じた取り組みを行います。いわゆるEmbedded SRE(*2)ですね。完全に開発チームと並走し、チームのミーティングにも参加します。
そして、三つめが開発プラットフォーム独自で課題を発見していくパターンです。現状の開発環境における課題を洗い出して、想定されるリスクを回避するための運用改善や実装を行います。開発プラットフォームのメンバーや他チームとのディスカッションから始まることも多いですね。
ーー前職でもSREの役割を担っていたと思いますが、タイミーに入社してから感じている難しさなどはありますか?
ありますね。前職の場合は完全なるtoBサービスだったので、メンテナンスの際に「システムを止める」という選択もできました。しかし、タイミーは毎日時間を問わず誰かが使っているサービスです。給料の即時振り込み機能もあるので、止めるわけにはいきません。その状況下でアップグレードや発生した影響へのケアを行うのは難しさでもあり、楽しさでもありだなと思います。
*2)個々のSREがプロダクトチームに「埋め込まれ」、ひとつのチームとして一体となり開発・運用を担っていくスタイル
積み上げた経験と新たな知識を活かして課題解決に向き合う
ーー日々、重要度の高い課題と向き合っていると思うのですが、羽矢さんが仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
そうですね。やはりコミュニケーションの重要性は感じています。これは前職でEmbedded SREをしていた頃から実感しているのですが、自分の考えをチーム全体に伝えることで得られるものは多いなと思うんです。むしろ、そこを疎かにしたときに「なんでこうなんだっけ?」と終わったはずの議論が再発してしまうこともあったように思います。
もともと人と話すのが好きという気質もありつつ、前職でのコミュニケーションプロセス改善の成功体験を受けて、より大切にするようになった節はあるかもしれませんね。
また、自分の感覚に頼りすぎないことも大切です。自動解析の結果を参照したり、 AWSのログを確認したり。客観的な事実を確認した上で、うまく動いていない原因を特定するようにしています。原因が明確になれば、そこに対する手法などは分かっているのでスムーズに対応できるんです。
あとは、やはり学習ですね。技術的な進化スピードが早い領域に身を置いているので、日々のインプットは欠かせません。セキュリティ関連のアップグレードチェックは日課になっていますし、関連資格の勉強なども大切にしています。
ーーいつも落ち着いている印象ですが、日々やるべきことがあって混乱したり慌てたりしませんか?
しますね(笑)。細かい事象がたくさん発生すると「何からやれば良いんだっけ?」と思うこともあります。そういう場合に大切になってくるのは「現状何をすべきか」をはっきりさせること。Miroなどに自分の思考を書き出したり図式を描いたりして、可視化するようなことはよくやっています。
そうすると、チームに対して説明をする際の負荷が下がったりメンバーの理解度が上がったりもするので、効率的に業務を進められるんですよ。最近では生成AIなどをうまく活用して、言葉では説明の難しい通信の仕組みなども図式化するようにしています。
自信を持って「得意」といえる専門性を獲得していきたい
ーー羽矢さんが感じているタイミーの魅力を教えてください。
入社してあらためて思うのは、自分のキャリアをよく考えている人が多いなということです。エンジニアとして生き残るために必要なスキルだったり、どう楽しく生きていくのかだったり。そういう話ができる方が周囲にいるのは良い環境だなと思っています。
また、議論のレベルが高いというのは感じているところです。もちろん前提知識の説明はするのですが、そこに大きな時間を割かなくても議論がきちんと進んでいきます。本質的なディスカッションに入りやすい点は個人的にも魅力ポイントです。タイミーはものづくりにおける過去の負債が少ないと感じています。それは新しいサービスゆえに、世の中の成功事例を踏襲してきたからだと推測するのですが、建設的なディスカッションができている点も一因になっているのではないかなと。タイミーの持つ伸びしろを正しく広げていくという観点で見ても、大きな魅力だと思っています。
ーー最後に、今後の目標を教えてください!
まずは、一人前のプロダクトセキュリティエンジニアになることです。これまでのキャリアでは「なんでも屋」的な動きをしていた期間が長く、良くも悪くも「広く浅く」という性質を持っています。「これが得意!」といえる分野もあるにはあるのですが、抜きん出ている状態ではないなと。何か一つは高い専門性を持ちたいと思っていて、それがセキュリティの領域かなと目標を定めているところです。
これが中期的な目標でありつつ、相対的に経験の少ない領域にも挑戦していきたいと考えています。インフラ領域以外にもバックエンド開発に注力したり、マネジメントをしてみたり。自分なりのキャリアプランを考えていきたいですね。キャリアの選択肢を広げるためにも、自分自身の核となるスキルの獲得や学習を続けていきたいと思います。
お話しできることを楽しみにしています!
ご興味を持っていただけた方はぜひ面談にお申し込みください。いますぐの転職を考えていなくても大丈夫です!ぜひ、カジュアルにお話ししましょう。
(取材構成編集・文:Mamiko Kamiya)