タイミーの成長を止めないために。グローバル視点を活かして「開発リソースの多様化」を目指す仕事
「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに掲げるタイミー。事業・組織ともに大きく成長を続けています。そして、今後も継続的な成長を目指す際に必要になる要素の一つが「開発リソースの多様化」です。タイミーがさらなる飛躍をしていくためにも、グローバルな視点は欠かせません。
今回はグローバルチームの立ち上げ経験が豊富なエンジニアリングマネージャー(以下、EM)の小牧 将和さんにインタビューし、これまでのキャリアや開発リソースの多様化にあたって大切なことを聞きました。
※本記事の内容は2024年10月公開時点のものです。
プロフィール
「エンジニアリング × グローバル」を軸にしたキャリア
ーー本日はよろしくお願いします!まずは、これまでのキャリアについて教えてください。
私のキャリアはワークスアプリケーションズのソフトウェアエンジニアとしてスタートしました。とはいえ、もともとの配属希望は人事部。同社でのインターンシップや入社後の研修でプログラミングには触れていたものの、まさかそのままエンジニアのキャリアを歩むことになるとは思っていませんでした。そんなスタートでしたが、始めてみると意外としっくりくるもので、COMPANY会計ERPや財務会計・管理会計・経費管理等の開発やマネジメントと着実に経験を積んでいきました。
そんな中、入社8年目のタイミングで希望を出し続けていた海外勤務が実現することに。シンガポール拠点への出向が決まり、100名を超える多国籍メンバーとともに製品の企画・設計・開発・テストを推進しました。
その後、ワークスアプリケーションズを退職し、さらにIT企業2社の海外拠点でアドテク製品を開発したり、新規事業を立ち上げたり。約4年のシンガポール生活を経て、日本へ戻ってきました。帰国後は「エンジニアリング組織のグローバル化」を推進すべくマネーフォワードに参画。日本国内でのグローバルチームの立ち上げやベトナム拠点の運営、新規海外拠点の立ち上げ等に携わってきました。そして、この5月からはタイミーに入社し、EMの役割を担っています。
ーーどのような経緯でタイミーへ入社することになったのでしょうか?
タイミーのことは以前から「社会貢献性の高いビジネスをしているな」と注目していました。自分の力を使うなら社会貢献につながる仕事がしたいという大前提もありましたし、純粋にタイミーのビジネスモデルや世界観に惹かれていた自分がいたんです。
加えて、カジュアル面談で話したkameikeさんがすごく聡明で「最新の組織モデルを採り入れて、それを実現しているのはすごいな」と感じたことが入社の決め手でした。あとは、タイミング的にワークスアプリケーションズ時代に同期だった赤澤 剛のタイミー入社が控えていたのも大きかったですね。彼とならまた一緒に面白いことができるのではないかなという予感がありました。
シンガポール行きがグローバル視点を磨くきっかけに
ーー小牧さんのキャリアの中でターニングポイントとなった出来事を教えてください。
やはり一社目でシンガポールに行けたことは大きいですね。あの経験があったからこそ「エンジニアリング×グローバル」というキャリアの軸を得られたのだと思います。当時の私にとって念願叶った憧れの海外勤務。満を持して向かったシンガポールで悔しいこともたくさんありました。日本国内では通用していたはずのマネジメント力がグローバル組織ではまったく機能しない状況。「どうしたらうまくいくんだろう」と試行錯誤し続けた結果、エンジニアリング組織のグローバル化という一つの強みを持てたんだと思っています。
ーー国内ではうまくいっていたマネジメントが海外では通用しなかった原因はなんだったのでしょうか?
複数の原因が絡み合っていたんですけど、大別すると「英語力」「文化理解力」「労働文化理解力」の三つが不足していたことが原因だったと思っています。
一つめの「英語力」については、海外でエンジニアリングをするために必要な英語力を見誤っていたことが敗因でした。いま振り返ると、調子に乗っていたなと思うのですが「外国人との日常会話に不自由していないし、大丈夫!」と自分の英語力に自信を持っていたんですよね。しかし、ビジネス英会話となると、そのレベルではまったく足りないと気づかされました。そもそも日常会話すら、日本に来ている海外の方はわかりやすく喋ってくれているという前提で成り立っていたもの。当然、シンガポールでは容赦なくビジネスレベルの会話が飛び交うので、すごく苦戦しました。
二つめの「文化理解力」は、いわゆるハイコンテクスト・ローコンテクストの話ですね。日本語は「相手に空気を読ませる」というハイコンテクストな性質を持っていますが、英語でのコミュニケーションはローコンテクストであることがほとんど。メンバーの国籍や育った文化圏によって、どの程度、ニュアンスを汲み取るべきなのか判断が難しいことが多々ありました。
日本人からすると「なんだそりゃ」と思えるようなことでも、実はその人が育った国ではごくごく一般的な話、というのもよくあって……。自分の価値観のみで否定することがないように意識する必要性を強く感じていました。
三つめの「労働文化理解力」は一番苦戦したかもしれません。日本国内では、メンバーシップ型雇用がメジャーで「業務内容もある程度幅を持たせる」ということも多いと思います。一方で、シンガポールはジョブ型雇用が圧倒的多数。Job description(職務記述書)が絶対的に正しく、そこに記載していない仕事は行わないという考え方のほうが一般的です。契約なので当たり前なのですが、労働に対する考え方のギャップを埋めるのに時間がかかった感覚がありました。
当時は本当に苦しかったですが、この三要素に気づいて乗り越えられた経験は財産になっています。
自分のミッションを中心に「タイミーの役に立つこと」で事業成長に貢献する
ーータイミーでのミッションや仕事内容を教えてください。
主にエンジニアリング組織と多国籍化のスケールをどうすべきかと向き合っています。タイミーのプロダクトをこれからも成長させていくには、エンジニアリングリソースの多様化とエンジニア戦力の拡大は欠かせません。現在はその活動の一環で、EMとしてオフショア開発を行っているチームにジョインし、オフショア開発の強化を図っているところです。
ーー小牧さんが入社した時点ですでにオフショア開発のチームは回り始めていたと思うのですが、課題などはありましたか?
当初はオフショア開発の正解やあるべき姿がわからないので「旗を立ててほしい」と言われたのですが、私の目から見て「すでに良い完成度で回っている」という印象でした。プロダクトオーナーのAndrewさんが、過去に成功した開発モデルをそのまま持ってきて運用を回してくれているので、そもそもの勝ち筋があったんですよね。課題があるとすれば「よく回している」という事実を評価できていなかったこと。現在はできていることを適正に評価しながら、より良くするための戦略の立案と実行を進めています。
ーー小牧さんが仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
これまでのグローバル組織での経験を活かして、先述したような「エンジニアリングリソースの多様化とエンジニア戦力の拡大」に向き合うことをメインミッションに持ちつつ、あまり枠にとらわれずに会社の役に立つことには広く関わっていきたいと考えています。
タイミーはプロダクト自体の社会貢献性が高く、会社で役に立つこと=社会の役に立つことに直結しやすいと思うので、選り好みせずにいろいろ挑戦したいなと。実際にオフショア開発チームだけでなく、情報セキュリティの観点でプロダクトを強くするチームのEMを兼務したり、新卒採用に関わったりと広く活動範囲を取るようにしています。
たとえば、特定職種同士で「このタスクはどっちがやる」という縄張り争いは意味がなくて、個人的にはすごく「どっちでもいいじゃん」と思うんですよね。仕事を取り合うのではなく、1 + 1を3より大きくするほうに向かっていくのが「EMの役割」ではないかなと思っています。
自分たちの成長なしにグローバル化は成功しない
ーー小牧さんが感じる「ここがタイミーの魅力」というところはどこでしょうか?
カルチャー面で印象的だったのは「みんなめちゃくちゃ勉強しているな」ということ。一人ひとりの学習意欲が高く、実際の行動も伴っているところがいいなと思いました。エンジニアリング組織において、学びのカルチャーはすごく大切。書籍購入や資格取得など、メンバーの学習意欲を支えるための制度がきちんと用意されているのも素晴らしいなと思っています。
また、スポットワーク市場のリーディングカンパニーとして「オンリーワンのものを世に出していく」やりがいが大きいです。機能をゼロから考えて仮説検証して、実際にリリースして、また仮説検証して……。そのサイクルの中でサービスが成長していく実感を得られることに魅力を感じていますね。
ーー最後に、今後の目標を教えてください!
大前提、事業の成長を止めないというのがありますね。タイミーは現在進行形で勢いよく成長していますし、今後も事業拡大し続けていきます。そのために考えていかないといけないのが、事業を支える「人」の問題。国内で日本人だけを採用し続けるにも絶対数に限界があり、ゆくゆくは頭打ちも見えてきます。そこで「開発リソースの多様化」「多国籍化」という話に立ち返るのですが、まずはそこをしっかり実現していくことが私の役割です。
とはいえ、それには越えなくてはいけない壁がたくさんあります。「エンジニアリング組織をグローバル化する」としても、採用は全社施策です。タイミー全体で「土壌をつくる」ことが重要になってきます。仮に外国人採用を進めるのであれば、宗教上の食や儀式の理解も全員で考えてオフィス環境なども整備しなくてはいけません。採用される側ではなく、受け入れる側の意識改革が非常に重要です。
私はオフショア開発成功の鍵は「相手の力ではなく、自分たちの力」だと思っています。まずは、自分たちのキャパシティを育てないと、どこの国でどんな優秀な人たちと手を組んでも負けてしまう。組織の多国籍化も同じことだと思うので、全員で成長するための活動を進めていかないといけませんね。
お話しできることを楽しみにしています!
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(取材構成編集・文:Mamiko Kamiya)